国家公務員総合職試験(大卒程度)は、平成24年度から新たに「教養区分」が新設されています。
他の区分とは違う特徴があるので、倍率も含めて簡単に紹介していきたいと思います。
教養区分とは?
教養区分が新設された目的は、様々な専攻分野の学生や外国の大学を卒業した人など、多様な人材を集めるのが目的の試験のようです。
そのために試験内容も工夫されていて、基礎知識や思考力が問われる形の試験内容になっていたり、試験が秋に実施されるといった特徴があります。
人事院では、教養区分の試験の趣旨について以下のように説明がされています。
試験の趣旨:政策の企画及び立案又は調査及び研究に関する事務をその職務とする係員の採用試験(教養区分は、既存の試験区分以外の専攻分野の学生や外国の大学の卒業者など多様な有為の人材確保に資するよう、企画立案に係る基礎的な能力の検証を重視した試験区分です。)
人事院
国際化に対応できる人材や、多様なバックグラウンドのある人材を採用する区分という感じがしそうです。
特徴的な点
教養区分は他の区分とは違う特徴があります。
以下で紹介していきます。
⑴専門試験がない
教養区分には専門試験がありません。
教養区分の試験内容は、一次試験では基礎能力試験、総合論文試験、二次試験では政策課題討議試験、企画提案試験、人物試験などがあります。外部英語試験のスコア提出で加点有り。
専門試験が課されないので、膨大な勉強時間を費やさなくても、ポテンシャルを活かすことが可能と言えそうです。
⑵試験が秋に実施
通常は、4~6月頃にかけて試験が実施されますが、教養区分では秋に実施されます。
大学を卒業した人、留学した人、海外の大学の卒業者などでも受けやすくなっています。
2019年度試験の例では以下のスケジュールになっています。
8月2日~26日 受験申込
9月29日 一次試験
11月12日~20日 二次試験
12月6日 最終合格発表
⑶20歳から受験できる。
通常、総合職大卒程度試験の受験資格は21歳以上30歳未満ですが、教養区分では20歳から受験することができます。
倍率はどれくらいか
教養区分について申込者と倍率を紹介していきます。以下は、平成27年度から平成30年度までの教養区分の実施状況。
申込者数は年々増加傾向にあるようです。
○総合職大卒程度試験「教養区分」の実績
試験区分 | 申込者数 | 一次合格者数 | 最終合格者 | 倍率 |
平成30年度 | 2,928人 | 265人 | 145人 | 20.1倍 |
平成29年度 | 2,811人 | 263人 | 135人 | 20.8倍 |
平成28年度 | 2,558人 | 255人 | 135人 | 18.9倍 |
平成27年度 | 2,453人 | 232人 | 133人 | 18.4倍 |
計 | 10,750人 | 1,015人 | 548人 | 19.6倍 |
※参考:人事院
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