就職先の一つとして人気の高い日本中央競馬会。
競馬事業の健全な発展と畜産の振興を目的に設立された組織です。
具体的には、中央競馬の開催、競走馬・騎手の育成、各種施設の運営を行っています。
今回は、そんな日本中央競馬会へ就職を希望している方に向けて、必要となる情報を紹介していきたいと思います。
JRA職員の身分は公務員?
JRAは、競馬法と日本中央競馬会法によって設立された特殊法人です。
農林水産省が監督官庁となっている特殊法人ですが、身分は公務員ではありません。
公共事業を行っていることと、JRAの設立法を根拠にみなし公務員と言われることが多いです。
資金力が豊富
日本中央競馬会で特筆すべき点は、その資金力が豊富なことです。
農林水産省の監督下にあって、公益的な事業を行っているにも関わらず、2兆7千億円の売上規模を誇っています。
剰余金の半分は国庫に納入されて、国家財政に貢献している組織です。
こういった事情があることから、以下で紹介する給料水準にも潤沢な資金力が反映されています。
売上げの10%及び剰余金の1/2を国庫納付しており、平成29年度においても、3,000億円超を国庫納付し、大きく国家財政に寄与している。
※平成29年度 日本中央競馬会HPより
JRA職員の平均年収
JRAの給料水準は、春闘方式による労働組合との交渉、馬券販売券の売上実績が考慮されて給料水準が決定されています。
特殊法人でありながら、国からの財政支出を一切受けず、独立採算で運営されているので、公務員らしい給料ではないと言えます。
まずは、全体の平均年収について以下で紹介します。
※平成29年度 日本中央競馬会より
上の数字は、常勤職員1,484人の平均です。
全体的に平均年収は高めと言えます。
獣医、装蹄、乗馬指導の職種
JRAでは獣医や競走馬の装蹄を行う装蹄職、乗馬指導などを行う職員も一定数在籍しています。
これらの平均年収は以下の通りです。
装蹄職 平均年齢 39.4歳 857.2万円
乗馬指導職 平均年齢 41.9歳 751.5万円
事務職員と研究職員の比較
JRAの事務職員と研究職員を比較していきます。
事務・技術職 | 研究職員 | ||
本部係員 | 402万円 | 本部主任研究員 | 876万円 |
本部係長 | 816万円 | 本部研究課長 | 1,213万円 |
本部課長 | 1,358万円 |
※平成29年度 日本中央競馬会
なお、研究職員はどちらも地方機関勤務の本部主任・本部課長相当職とのことです。
本部勤務の場合はこれよりも給料水準は上がると思います。
JRAと東京都庁のモデル比較
JRAと東京都職員のモデルを比較して紹介していきたいと思います。
JRA | 東京都庁 | ||
22歳 初任給 | 332万円 | 25歳 係員 | 366万円 |
35歳 本部係員 | 594万円 | 35歳 課長代理 | 622万円 |
50歳 本部課長 | 1,318万円 | 50歳 部長 | 1,299万円 |
※平成29年度 日本中央競馬会 東京都人事員会
役職を考慮すれば、JRAの方が年収モデルとしては高くなりそうです。
採用については、例年、事務で30名前後、技術で3名、獣医職で5~6名ほどが採用されいます。
選考の中で一般常識(SCOA)や英語、数学などの筆記試験も課されるので対策は十分にしておきましょう。
残業時間
一般企業と比べてJRAの残業時間は少ない傾向にあるようです。
実際の職員の生の声やリアルな残業時間、有休取得率を知りたい場合は、官庁や独立行政法人であっても転職会議で調査することをお勧めします。
組織風土を把握したり、現場の残業時間などが分かるので志望の優先順位を定めるのに役に立ちます。
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