入国審査官になるにはどうすればいい 【入国管理局の採用、学歴まとめ】

入国審査官は出入国審査、在留審査などのスペシャリストです。

どうやったらこの仕事に就けるのか、難易度、学歴など必要な情報をまとめて紹介していきます。

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仕事内容

入国審査官というと、空港でパスポートにスタンプを押す係官のイメージがありますが、職務はそれだけではありません。

具体的には、以下のような役割があります。

・入国審査 …… 旅券や査証が有効であるか等

・在留資格審査 …… 日本に在留している外国人の在留資格審査等

・違反審査 …… 不法入国、在留許可を超えて日本に在留している外国人の退去強制等

入国審査官は「審査」が業務の主になるので、出入国管理のフィールドにおいては裁判官や検察官に近い役割を持っていると言えると思います。

なりかた

入国審査官になるには、国家公務員一般職試験に合格し、官庁訪問(面接)を経て各地域にある地方出入国在留管理局から内定を貰うのが主要なルートです。

「地方出入国在留管理局」は法務省の外局である出入国在留管理庁の出先機関で、全国に8つ点在しています。

ここに採用されると「法務事務官」の肩書になり、採用から大卒区分で3年、高卒者区分で8年の勤務を経てほぼ自動的に「入国審査官」へ昇進することができます。

入国審査官は大まかに主任~係長級の役職で、この入国審査官になると警察手帳に似た黒革の身分証票が交付されるようになります。

さらに、「INSPECTOR」の字が記載された金属製の胸章を制服に付けるようになります。

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採用者数

国家一般職からの採用者数は以下の通りです。

■国家一般職(大卒程度、高卒者) 出入国在留管理庁の採用状況

採用年度 大卒程度 高卒者
平成31年 142名 127
平成30年 235名 134
平成29年 233名 106
平成28年 168名 90
平成27年 78名 47

                    ※出典:法務省ホームページより抜粋

ちなみに、キャリア組を採用する「国家公務員総合職試験」からは例年5~8名前後が出入国在留管理庁に採用されています。

ここから採用されたキャリアは本庁や法務省で勤務することが多くなるので、入国審査官として現場でバリバリ働きたい方は「国家公務員一般職試験」から入る方が近道ですし、採用者数も圧倒的に多いです。

入国審査官と入国警備官の違い

入国審査官と入国警備官は勘違いされやすいです。

どちらも国家公務員で、同じ入管や空港で勤務することになりますが、

入国審査官は出国命令や仮放免、在留審査などの職務があり、出入国管理の世界における裁判官や検察官のような権限を持っています。

これに対して、入国警備官は出入国管理というフィールドでは、警察官のような役割を担っているイメージで良いと思います。

入国審査官も入国警備官も法令上はどちらも武器の携帯権はありますが、実際の現場は基本的に入国警備官のみ武器を携帯している様子です。

学歴

出入国在留管理庁のみの採用実績は公表されていないので、法務省全体での数字を紹介していきます。

ここには出入国在留管理庁の他にも、本省採用・法務局採用・公安調査庁採用なども含まれていると思います。

大学・学部名 人数
中央大学法学部 10
大阪市立大学法学部 9
岡山大学法学部 9
関西学院大学法学部 7
法政大学法学部 7
北海学園大学法学部 7
北海道大学法学部 7
金沢大学人間社会学域法学類 6
熊本大学法学部 6
同志社大学法学部 6
明治大学法学部 6
京都大学法学部 5
静岡大学人文学部 5
首都大学東京都市教養学部 5
千葉大学法経学部 5
東北大学法学部 5
南山大学法学部 5
広島大学法学部 5
立命館大学法学部 5
小樽商科大学商学部等11大学・学部 各4
岩手大学人文社会科学部等9大学・学部 各3
青山学院大学法学部等32大学・学部等 各2
青山学院大学国際政治経済学部等136大学・学部等 各1
大学・大学院・短大以外 7

※平成26年度 法務省HPより抜粋

大学名や学部、語学スキルを問わず幅広く採用しています。

上記は参考程度にとどめて、試験で高得点をとれるよう学習をしていきましょう。

出世と給与

勤務を始めると「法務事務官」の肩書からキャリアをスタートさせていきます。

採用から大卒で3年、高卒で8年でほぼ自動的に「入国審査官」になるのが慣例になっています。

その後は本人の能力次第で、統括入国審査官(課長補佐) ⇒ 首席入国審査官(課長) ⇒ 地方出入国在留管理局長などまで昇進することも可能です。

また、入国審査官は、行政職俸給表(一)が適用されるので、給与水準は一般の行政職の国家公務員と同じくらいです。

参考程度に、入国審査官の初任給は以下の数字となっています。

 ・国家一般職(大卒)216,840円

 ・国家一般職(高卒)178,320円

※法務省ホームページより抜粋

勉強方法と難易度

国家公務員一般職試験に合格しなければならないので、難易度はやや高めです。

特に大卒程度の区分は、専門試験が課されるので少なくとも一年近くの期間を思いっきり勉強しないと合格することができません。

大卒区分についての勉強方法は以下を参照してください。

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