国税専門官は、税務署や国税局に勤務して、主に税務調査や国税の徴収、脱税の捜査などを行う職員です。
能力次第で税務署長や副署長級まで昇進することもできます。
以下で、その年収などについて簡単に紹介していきます。
目次
初任給は248,520円と高め
国税専門官の初任給は、大卒・東京特別区に勤務した場合は248,520 円(平成 30 年度)となっています。
これに加えて、扶養手当や通勤手当、住居手当などが加わります。
国税専門官は税務職棒級表が適用されるので、行政職と比べても給与水準は高めです。初任給についても世間一般から考えると恵まれている方と言えます。
参考程度に、横浜銀行の新卒初任給は以下の通りです。
■参考 横浜銀行初任給
大学院了 223,000円
大学卒 205,000円※横浜銀行
平均年齢は43歳、平均給与は43.7万円
税務職棒級表に適用する職員は、平均勤続年数が21.8年と長めで、平均年齢は43.0歳となっています。
勤続年数は21年を超えているので、上場企業と比べてもトップ50位に入るほど勤続年数は長めです。
諸手当を含めた平均給与月額は437,777円です。行政職の平均給与と比較すると27,000円ほど高くなっています。
参考:行政職と比較
行政職棒級表(一) 平均年齢43.5歳 平均給与410,940円
税務職棒級表 平均年齢43.0歳 平均給与437,777円
勤続年数ごとの概算年収
税務職の年収モデルは公表されていません。
参考として、概算で算出したものを紹介していきます。
勤続年数 | 概算年収 |
1年未満 | 4,223,291 |
1年以上 2年未満 | 4,302,794 |
2年以上 3年未満 | 4,392,890 |
3年以上 5年未満 | 4,612,366 |
5年以上 7年未満 | 4,870,319 |
7年以上 10年未満 | 5,284,085 |
10年以上 15年未満 | 5,926,771 |
15年以上 20年未満 | 6,916,074 |
20年以上 25年未満 | 7,572,198 |
25年以上 30年未満 | 7,795,885 |
30年以上 35年未満 | 7,907,811 |
35年以上 | 8,011,512 |
※勤続年数別の大卒の平均棒級額(税務職)に、税務職の平均地域調整額と概算の期末手当額(4.45か月分)を加えて算出しています。
扶養手当や住居手当、残業代等は含んでいないので、実際の数字はさらに増すかと思います。
出世はどこまでか
財務事務官 ⇒ 国税調査官 ⇒ 上席国税調査官 ⇒
採用後は、すぐに財務事務官として研修を受けることになります。
その後は、上席国税調査官(又は上席国税徴収官、上席国税査察官)まではほぼ確実に昇進することができますが、その後は、本人の能力によって出世の度合いに変化があります。
一握りは税務署長や国税局の幹部まで出世することができます。
詳細は以下を参照してください。
リンク:国税専門官の出世パターン どのポストまで昇進できるのか?
退職金と税理士資格
退職手当額 2,108.5万円
常勤の国家公務員の平均退職手当は2,108.5万円です。
昇進の度合いによって、退職手当額は変わるので参考程度としてください。
23年以上の勤続で税理士資格が取得できる
国税専門官になるメリットの一つとして、税理士資格があります。
23年以上勤務をすると、税理士資格の登録ができます。
定年退職後も、OB税理士の需要は至るところにあるので、定年後も税理士資格を活かして独立や再就職が可能です。
例えば、資産税部門での経験が長ければ、相続税専門の税理士法人などに需要が強いですし、税務署長級の経験があれば税理士法人や企業の顧問としても需要があります。
また、OB税理士は税理士桜友会などで横の繋がりも厚いので、日本税理士会連合会でも影響力を持っていることで有名です。