役職の一つに「課長補佐」というポストがあります。組織によって位置づけは異なりますが、たいていの場合は課長の下、係長の上に位置する役職です。
課長補佐は、プレイングマネージャーとして自分で仕事をしつつ、課内の指揮監督も行うポストです。同時に、課長を補佐し課長の不在時には課長の代理を行うこともあります。
企業によって位置づけは異なりますが、一般的には中堅~ベテランの社員与えられるポストで、中堅幹部というイメージが強い役職です。
そんな課長補佐について、役割と年収などについて紹介していきます。
課長補佐の役割とは
組織によっては、係長と実態が変わらない「課長補佐」もあれば、複数の係を統括する「課長補佐」まで、組織によってその役割は異なります。
一般的には、課長補佐は管理職であることが多く、仕事に対する責任も係長と比べて大きなものになりがちです。
課長補佐は管理される側ではなく、課長と同じ立場にたって課内を監督し、課長の機能を補完する役割があります。
また、課長補佐の判断のみで仕事を進める機会もありますが、基本的には課長と相談をしながら仕事を進めていくことが必要になります。
課長補佐は中間管理職である
課長代理を設置している事業所の80.9%が当該役職を管理職としている
出典:兵庫県人事委員会
兵庫県人事委員会の調査では、課長代理を設置している事業所の大半はこれを管理職としているとのことです。
多くの企業では、課長代理に直属の部下が存在することも示されています。
したがって、課長補佐は、自らの業務をこなしながら、部下の指導や管理も大切な役割の一つとなります。
中間管理職として課長に近い立場で、社員や現場業務のコントロールを行うことが求められます。
課長補佐、課長代理、課長心得との違い
それぞれに大きな違いはなく、その組織の文化や個別の事情が役職名に反映されています。
官庁では「課長補佐」が多く使われていますが、一部の省庁や独立行政法人では課長心得や課長代理も使われています。
課長補佐に求められるスキル
精神力
課長補佐は、非常に責任がある役職です。
課長の下で業務を進めていく中で、個別の事案については課長補佐に多くの裁量が認められことになります。
課長補佐には判断能力とその責任に耐える精神力が求められます。
マネジメント能力
課長補佐は、複数の係を統率し、指導しなければなりません。
リーダーの一人として数値管理、部下の教育、風紀の取り締まりなど、会社の管理職の一員として会社組織の管理に貢献する力が全般的に求められます。
コミュニケーション能力
課長補佐は中間管理職であるため、課長と社員を繋ぐコアな役職です。
社員からの意見や様子にも気を配り、課長へ意見を伝えること、課長の意見を広く社員に周知させることが求められます。
どのような立場の者とも円滑にコミュニケーションができる能力は、課長補佐において重要な能力の一つとなります。
課長補佐の平均年収
課長補佐の平均年収は国の統計がありません。
ただし、民間企業が参考とする公的機関を例にとると、中堅以上の企業では30代の課長補佐で600万円~700万円、40代~50代の課長補佐で800万円前後が平均的な年収となります。
例えば、大阪府庁が公表するモデル年収では、50歳の課長補佐で年収795.6万円となります。
また、管理職か否か、部下の人数など、課長補佐をどのような位置づけで考えているかで、年収も変わってきますので、そのあたりは人事部に確認をしてみましょう。
・JOGMECの本部課長代理のモデル年収 35歳 年収656.4万
・東北大学職員の課長補佐の平均年収 平均48.9歳 平均年収673.7万円
・省庁の課長補佐のモデル年収 35歳 年収741.0万円
・日本政策金融公庫の本部上席課長代理のモデル年収 35歳 年収770.9万円
・大阪府庁の課長補佐のモデル年収 50歳 年収795.6万円
省庁の課長補佐はどのような役職か
省庁の課長補佐は実務の中核を担うポストです。
政治的な仕事もこなす課長の代わりに、個別の実務についてはベテランの課長補佐がリーダーとなり取り仕切っていることがあります。
ノンキャリアの場合は早くても30代後半以降、キャリアの場合は20代後半で省庁の課長補佐に出世していきます。
ノンキャリアの場合には課長補佐を最後に退官することも多いため、課長補佐の平均年齢は50代(課長補佐5級 51.9歳,課長補佐6級 52.5歳)です。
労働組合の加入については、監督的地位にある一部の課長補佐は加入することができません。
省庁の課長補佐は、自衛官の階級では三佐に相当し、警察官の階級では警視に相当します。
また、省庁の課長補佐が出先機関(府県単位機関)に人事異動すると「課長」として赴任します。
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