警察官僚の出世スピードはどれくらいか 【キャリア警察官における階級のまとめ】

警察庁は、約29万人(警察庁職員は約8,000人)の警察官をたばねる巨大官庁で、戦前の内務省警保局の流れをくむ歴史ある官庁です。

国家公務員志望者の中でも、財務省、外務省、経産省などと並んで人気の高い省庁でもあります。

警察官僚となるには国家公務員総合職試験に合格後、警察庁から採用内定を受ける必要があります。

例年、20名前後のキャリアが警察庁で採用されており、将来はそのほとんどが警視監となって警察行政の中枢を担うことになります。

若いうちから、管理職として勤務する機会も豊富にあり、大使館や国際機関、他の省庁に出向する機会も頻繁にあるなど多様な経験を積むことができる環境にあります。

出世スピードが新幹線並みと評されることも多い警察官僚、その出世モデルについて紹介していきます。

22歳前後   警部補

キャリア組の警察官は、採用後すぐに警部補として任用されます。

ノンキャリアが巡査、準キャリアが巡査部長からスタートするのと比較して、採用時点でも階級に差があります。

採用後は警察大学校での研修を受け、幹部として必要な基礎的教養を身に着けることになります。その後、都道府県警察などでも勤務を経験し、研修期間も含めて約一年数か月は警部補の階級で勤務することになります。

その後再び警察大学校で一か月の研修を受け、すぐに警部へと昇進していきます。

24歳前後   警部

採用から1年2か月後には警部に昇進します。この警部の期間では、約2、3年の警察庁勤務を経験することになります。

警察庁では係長として各課に配属され、行政官として本庁での経験を積みます。その後、海外留学をする者と警察署の課長代理として地方勤務をする者に分かれます。

29歳前後    警視

採用から約7年目で警視の階級に一斉に昇進していきます。以前は採用から4年目ほどで警視に出世していましたが、近年ではさらに3年ほどの年数を要して出世しています。

ノンキャリアではどんなに早くとも45歳くらいで昇任できる階級に、20代後半で一斉に昇進することになります。

警視としてすぐは警察署の管理官として勤務し、その後数年の経験を経て県警本部の課長(捜査2課長、公安課長)のポストに出向する者、警察署長になる者、警察庁の課長補佐、大使館の一等書記官として勤務する者などに分かれる。

37歳前後   警視正

採用から15年以降、警視正に順次昇任していく。ノンキャリアではどんなに早くとも50代以降と言われている階級に、30代で昇任していくことができる。

この期間では、警察庁の理事官や企画官となる者、警察署長となる者、大使館や国際機関に出向する者、県警の部長級として出向する者などがいる。

45歳前後   警視長

採用から22年目以降、順次警視長へ昇任していく。年収は約1,200万円前後。過去資料を見てもキャリア組であれば同期全員がこの階級に出世できる様子。

大規模な県警本部の部長、管区警察局の部長などを務める。数年間の経験を経て小規模な県警本部の本部長や警察庁の課長として勤務していく。

50歳以降   警視監

50代以降、ほぼ全員が警視監として警察の中枢を担う幹部となる。階級としても指定職に入る。年収1,500万前後。

大規模県警の県警本部長、警視庁の部長などを経験し、数年の経験を経て警察庁審議官、管区警察局長、警察大学校長、警察庁の局長などの役職を担っていく。

同期組で警察庁の高級幹部を務めることになるが、その中でさらに一握りが警察のトップを担っていくことになる。

58歳前後   警視総監、警察庁長官

同期の中で優秀な者の2人が警察庁長官、警視総監となる。年収は約2,000万ほどとなる。

警察庁職員の生の声やリアルな残業時間、有休取得率を知りたい場合は、官庁や独立行政法人であっても転職会議で調査することをお勧めします。

組織風土を把握したり、現場の残業時間などが分かるので志望の優先順位を定めるのに役に立ちます。

リンク警察官僚へのなり方 【学歴、採用試験、採用人数、出世について】

リンク準キャリア警察官の出世モデル【警察官の階級まとめ】

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