社員に与えられる役職の一つに「係長」のポストがあります。
係長は、プレイングマネージャーとして自分で仕事をしつつ、小ユニットである「係」の指揮監督を行うポストです。
企業によっては位置づけは違いますが、一般的には若手から中堅の社員に与えられるポストであり、初級幹部というイメージが強い役職です。
また、一般的な企業において「係長」は非管理職とされています。
そんな日本の係長について、平均年収や平均年齢、昇進などについて紹介していきます。
大企業の係長 平均年収 775万円
従業員数1,000人以上の企業の係長は、平均年収775万円、平均年齢44歳 平均勤続年数19.7年です。係長ポストについている者の年齢は、主に30代前半~50代前半に集中しています。大企業だけあって平均年収もかなり高めです。
中堅企業の係長 平均年収 637万円
従業員数500人~999人の企業(便宜的に中堅企業と呼ぶ)の係長は、平均年収637万円、平均年齢44.1歳、平均勤続年数18.3年です。
中堅企業においても、係長の年齢層は30代前半~50代前半に集中しています。中でも、40代の層が厚く、40代前半の係長が最も多くなっています。
中小企業の係長 平均年収 571万円
従業員数100人~499人の企業(便宜的に中小企業と呼ぶ)の係長は、平均年収571万円、平均年齢43.6歳、平均勤続年数16.9年です。
中小企業係長の年齢層は30代前半~50代前半に集中しており、中小企業においても40代前半の係長が最も多い。
中央省庁の係長 年収500万円超
一般的に、30代くらいの官庁の係長級は年収500万ほどと言われています。
キャリア官僚は採用後およそ4年ほどで本府省係長に昇進します。さらに採用7年~11年という圧倒的なスピードで課長補佐に昇進していきます。
こういったキャリアシステムがあるため、中央省庁の係長級のポストは若手キャリア官僚と中堅ノンキャリア職員が占めているポストです。
国家公務員は民間企業よりも出世スピードが速く、係長級で滞留する職員も少ないため年収が低く見えがちです。
30代前半で係長に昇進できる
人事院が行った民間企業へのアンケートによると、勤続8年~10年で係長に昇進させるのが平均的とのこと。
入社8年~10年というと新卒で入社しても30歳~32歳です。
また、多くの企業・官庁では、係長の下に部下を置かない「部下なし係長」のポストに昇進させている例も多いです。これは、ある意味では、出世できない職員に対する名誉職的なポストでもあり、多くの企業で実施されているキャリアシステムです。
こういったキャリアシステムによって、定年間近までヒラ社員に据えられるというケースは稀になっています。
係長は非管理職
兵庫県人事委員会の調査によると、「係長」を管理職としているのは16.7% に留まり、事業所の大半が係長を非管理職としているとのことです。
「係長」を管理職としているのは16.7% に留まっており、部下を有する役職の中でも、「課長代理」以上を管理職、「係長」を非管理職としている事業所が大勢を占めている。
出典:兵庫県人事委員会