国家公務員総合職は、高級官僚となることが期待されている採用区分です。
国家公務員総合職の昇進のモデルケースを紹介していきます。
目次
昇進のモデルケース
国家総合職で採用された職員は、課長補佐~課長級(省庁により異なる)まで横並びに昇進し、それ以降の昇進については、「本人の勤務成績」「省庁」によって昇進モデルは変わります。
一般的に公表されている昇進モデルは以下のようになります。
【4年目】 本省庁の係長
入省3年~4年目で、本府省の係長に昇進するのが一般的です。
年収はおよそ500万円程度。
政策の実施、許認可権の行使といった実務を担います。
キャリア組の係長は、このポストの段階で政策・予算・法案の立案に従事することも多い。
【7年~11年目】 本省庁の課長補佐
採用後7年~11年目で課長補佐に昇進するのが一般的。
年収はおよそ800万円前後。
大臣が国会答弁で使う原稿を作成したり、政策の立案、法案・予算案の作成に従事することになります。
【17年目】 企画官や室長
採用後17年目前後で企画官級に昇進するのが一般的と言われています。
年収は900万円~1,000万円前後。
このくらいから昇進スピードに差が出始めます。以前まで課長級まで横並びで昇進するのが一般的でした。しかし、近年では企画官級で昇進が止まり、外部の団体へ出向するケースが増えています。
【22年~23年目】 本省庁の課長・参事官
入省22年~23年目前後 本省の課長級に昇進する
年収はおよそ1,300万円前後。担当する業界に絶大な影響力を持つポストです。
課長級への昇進後、10年ほどは課長級のポストを転々と異動することになります。また、このポストから「高級官僚」「幹部職員」と言われるようになる。
ちなみに.
以前まで「18年目 40歳で課長」が昇進の目安になっていましたが、ここ最近の動向では本省課長級への昇進に22年~23年はかかるとされています。
ちなみに、戦前では、文官高等試験に合格した者は10年そこそこで本省課長級に昇進することができたようです。
【29年~30年目】 審議官
29年~30年目で昇進。年収は、1,500万円~1,800万円。
この役職以上から「指定職」に分類されるため給与がグッと上がります。また、審議官室、秘書、専用車が与えられるとのことです。
省内の調整、政治家との交渉が多いため交渉力やリーダーシップが求められる。
審議官級に昇進後、さらに出世競争に勝ち抜いた一握りが局長、事務次官へと昇進していく。
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キャリア組に求められる資質
ノンキャリア出身の職員が「政策の実施や許認可を行う実働隊」であるのに対し、キャリア組の職員は、政策の立案・法案の作成にかかわることが多くなります。
政治家と交渉する機会や高級官僚として部下を導く機会も多い。その為、キャリア組の職員には「交渉力」や「リーダーシップ」が求められます。
また、政府の代弁者として、又は政府そのものとして発言する機会も多いので、「責任感」も必要と言えそうです。
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