防衛省キャリアの出世スピードはどれくらいか

近年、防衛省への就職が学生の間でますます人気を集めています。国家公務員総合職の中でも、防衛省に採用された者は「防衛キャリア」と呼ばれます。防衛キャリアは文官であり、防衛大臣を政策的な観点から補佐する役割を担っています。一方、自衛官は武官であり、各幕僚監部などに所属して軍事的な観点から大臣を補佐しています。

自衛官は制服を着用しているため、一般に「制服組」と呼ばれています。一方、防衛キャリアは背広を着用しているため、「背広組」とも呼ばれています。

防衛省では、入省後のキャリアパスが明確に定められており、着実に昇進していくことができる環境が備わっています。防衛事務官としての実務経験や自衛隊での勤務を通じて、国防政策や安全保障に関する専門知識と経験を磨くことが求められます。

今回は、そんな防衛キャリアのキャリアパスについて簡単に紹介していきます。

22歳       防衛事務官

入省後の1〜2年目は、防衛省の内部部局で行政官として実務を学ぶことになります。

その後、3年目からは自衛隊の司令部などで勤務し、自衛隊の現場を学ぶことになります。20代のうちから主任や係長の初級幹部としての役職を担いながら勤務することになります。

ちなみに、防衛省は他省庁と異なり、防衛事務官(係員~係長)⇒防衛部員(課長補佐)⇒防衛書記官(課長~局長)の職階が用いられます。

かつては防衛書記官の上位に防衛参事官が置かれていましたが、法改正により2009年に廃止されています。

20代後半            防衛部員/課長補佐級

入省から5年目、20代後半くらいで課長補佐級の防衛部員となります。自衛官の階級では三佐に相当する職員で、ノンキャリアの場合は、早くとも30代後半以降で防衛部員に昇任するのに対し、キャリアは20代のうちからこの部員になることが可能です。

防衛部員となると、組織の中核として主体的に企画立案を行うことになります。相当程度の裁量権が与えられ責任は大きくなります。

部員での勤務経験後、他省庁では総括課長補佐級である「先任部員」へ昇任していきます。

40歳前後     企画官/室長

防衛キャリアは、40歳前後で企画官や室長となります。

44歳前後    防衛書記官/課長

防衛キャリアは、44歳前後くらいで課長級になります。

特に航空機課長や防衛政策課長、運用政策課長といったポストは、巨額の予算を担当する重要な役職となります。その後は、文書課長や秘書課長を経て、審議官や地方防衛局長から局長、事務次官へと選抜されることになります。

ちなみに、大臣官房会計課長は財務省キャリアの指定ポストです。

なお、大使館においては書記官は若手~中堅の役職になりますが、防衛省における「防衛書記官」は課長・官房長・局長の幹部職員です。

50歳以降      審議官・局長・事務次官     

防衛キャリアは、本人の能力次第で高級官僚である審議官や局長、事務次官まで昇進することができます。

年齢目安として、審議官級は50歳、局長級は52歳、事務次官は55歳くらいが平均的な年齢目安となります。

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