生きていく上でワークライフバランスは非常に大切です。
過酷な環境で働くと心身を病むことにもなりかねません。働く前に、その辺もしっかり調査しておくことが自分を守ることに繋がります。
今回は、色々な噂がされる国家公務員のワークライフバランスについて、人事院の公表資料を参考に紹介していきます。
本省の残業時間、有給の取得率はどれくらいか
●本省の年間残業時間 364.2時間
平成26年の人事院の調査によると、本省の年間の残業時間は平均364.2時間です。
月にすると毎月およそ30時間の残業時間となり、日にすると1日1時間半ほどの残業があることになります。
民間企業の平均残業時間は、月47時間と言われています。そのことを考えると、不夜城と言われることの多い本省の残業時間もそこまで多くないと言えるかもしれません。
●本省の年次有給休暇の取得率 59%
年次有給休暇は年間20日付与され、一人当たりの平均使用日数は本省で11.8日です。取得率に換算すると約59%となります。
厚労省の報告では全産業の平均取得率は47.4%とされているので、本府省の有給休暇の取得率は民間企業よりも良いようです。
一部の省庁は残業が多い
人事院により残業時間を年間360時間以内に抑えるよう通達がありましたが、一部の省庁では年間360時間を超えて残業した者が46.6%おり、年間720時間を超えて勤務した者は7.1%います。一部では残業が非常に多い傾向にあるようです。
出先機関はワークライフバランスが良い?
本省には企画立案の役割がありますが、出先機関には執行の役割があります。大切な役割を持つ出先機関ですが、ワークライフバランスはどのようなものでしょうか?
●出先機関の年間残業時間 201.4時間
出先機関の年間残業時間は平均201.4時間。月にすると16.7時間で、日に50分前後の残業で帰宅することができるようです。本府省と比べると年間160時間ほど残業が少なく、民間企業の残業時間と比較しても半分以下の残業時間です。
●出先機関の有給取得率 67%
平成26年のデータでは、一人当たり平均13.4日を使用しています。出先機関は本府省(11.8日)よりも有給休暇を取得しやすい環境にあることが分かります。
これらの資料から、出先機関は残業時間が少なく、有給休暇の取得率が高いことが分かります。本省や民間企業と比べても出先機関のワークライフバランスは良いと言えそうですね。
職員の半数以上は仕事量に負担を感じている
平成27年に人事院が実施したアンケートでは「仕事の量が多く過剰な負担となっているか」という質問に対して、57.1%の職員が「そうだ」「どちらかといえばそうだ」と答えています。
出典元:人事院平成27年年次報告書
中でも40代は仕事の量に負担を感じている割合が多く、67.2%が「そうだ」「どちらかといえばそうだ」と答えています。40代は管理職が多く、通常の業務に加えて部下の管理などが増えることに原因があるのかもしれません。
ちなみに、ノンキャリアよりもキャリア組の方が残業時間が多い傾向にあると言われています。その為、あまり残業はしたくない人は、ノンキャリアとして出先機関で勤務することがワークライフバランスを保つには理想的な形と言えるかもしれません。