【財務捜査官】会計士・税理士から中途採用で幹部警察官になれる財務捜査官とは

財務捜査官は特別捜査官の一種です。

公認会計士・税理士等を有している方が、その実務経験に応じて警部補、警部、警視などの幹部警察官として中途採用され、帳簿捜査、財務分析、事情聴取等の捜査を行う警察官です。

警視庁、愛知、北海道、大阪、福岡、宮城など14都道府県警に計48人配属され、3分の1以上の17人が警視庁に配属されています。

今回はそんな財務捜査官について簡単に紹介していきます。

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財務捜査官とは?

 職務

財務捜査官は、詐欺や横領、背任等といった知能犯罪において、企業の決算書等の帳簿を分析したり、経理担当者や公認会計士・税理士から事情聴取するなどして、企業の財務分析、資金使途の解明等の捜査を行っています。

捜査が始まると、会計帳簿の分析や銀行口座の精査などを行い、犯罪の形跡がないか探していきます。

また、銀行の取引明細や証憑等を精査して、財務諸表を復元したり、資金繰りの形跡を調査するためキャッシュフロー計算書等の作成を行うなど、捜査上重要な役割を果たしています。

この他、捜査員の財務捜査能力を向上させる目的として、警察学校などで講師としての活動も行うことがあります。

 採用試験

警視庁や道府県警の特別捜査官採用選考試験を受験することで財務捜査官になることができます。

採用選考合格後、1か月警察学校で研修を受けることとなります。

※例)令和4年警視庁特別捜査官採用選考試験の募集要項

階級 採用予定人数 経歴・資格等  年齢
財務捜査官

警部補(3級職)

若干名 1 税理士又は会計士補の資格を有し、かつ、民間等における5年以上の有用な職歴を有する人

2税理士法第5条第1項第1号イからホまでに定め(3級職) る事務又はこれに相当する業務に民間等における5年以上の有用な職歴を有する人

昭和38年4月2日から
平成8年4月1日までに
生まれた人

警視庁では第1次選考と2次選考に分かれ、一次選考では教養考査、専門考査。二次選考では、口頭試問、口述試問、小論文、適性検査、身体検査等の試験があります。

なお、一部の警察本部では会計士、税理士の資格証明書を提出することで一次選考が免除されます。

 昇任と階級

下記は選考時の基準ですが、この基準によらず昇任・昇給していきます。

警部補として採用されても、順調に昇任していき現在は警視として勤務している税理士・財務捜査官なども多く存在します。

財務捜査官 警視(7級職) 公認会計士 14年以上 60歳未満
警部(6級職) 公認会計士 8年以上
 〃(5級職) 公認会計士 8年未満
税理士 10年以上
警部補(4級職) 税理士又は会計士補 5年以上 27歳以上
60歳未満
税理士法第5条第1項第1号に定める事務又はこれに相当する業務 5年以上

 給与

大阪府警本部の財務捜査官については、下記の給与となります。

この月額給与に各種の手当が付与されます。

【採用年齢29歳(職歴6年)・本部勤務】
初任給(29歳) 警部補 320,083円
5年後(34歳) 警部補 366,592円
10年後(39歳) 警部昇任 431,771円

【採用年齢36歳(職歴13年)・本部勤務】
初任給(36歳) 警部補 388,616円
5年後(41歳) 警部補 431,883円
10年後(46歳) 警部昇任 480,181円

【採用年齢43歳(職歴20年)・本部勤務】
初任給(43歳) 警部補 446,082円
5年後(48歳) 警部昇任 483,535円
10年後(53歳) 警部 495,833円

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