領事館と大使館の違いは何? 

大使館や公使館、領事館や総領事館などの違いについて、紹介していきます。

外交のための大使館、自国民保護のための領事館

大使館は、外交使節団が相手国と交渉や連絡を行うための「外交」を目的とした施設です。

領事館は、「自国民の保護」を目的とした施設です。

領事館では主に、パスポート・査証の発行、日本人(日本企業)の行政手続き、通商問題の援助などのサービスを行っています。

このように、大使館は、外交使節団による外交のための施設であり、領事館(総領事館)は、日本人や日本企業を保護することを目的とした施設であるというのが違いです。

ただ、実際には領事館が行うサービスは、大使館の領事部でも同様のサービスを行っています。

大使館は首都にあり、領事館は地方都市にある

基本的に大使館は首都に置かれていて、領事館は主要な都市に置かれています。

アメリカ合衆国を例にとると、日本国大使館は首都であるワシントン.D.Cに置かれています。

対して総領事館は、アトランタ、シアトル、サンフランシスコ、シカゴ、デトロイト、デンバー、ナッシュビル、ニューヨーク、ハガッニャ、ヒューストン、ボストン、ホノルル、マイアミ、ロサンゼルスなどの各地の主要都市に置かれています。

こういった事情から、領事館は地方都市に見られます。

総領事館と領事館の違いは何?

領事のランクは、総領事、領事、副領事、領事官補の4つがあります。

このうち、「総領事」が長の施設は総領事館となり、「領事」が長だと領事館となります。

ただ、外務省では領事館を総領事館に、公使館を大使館に格上げしたことから、現在では領事館と公使館は一部を除いて存在しません。

大使館の職員たちと領事館の職員たち

大使館は大使を筆頭に公使、参事官、一等書記官、二等書記官、三等書記官等がいて、他にも駐在武官、在外公館駐在警備対策官などが在籍しています。

これらの外交官は、外交関係に関するウィーン条約によって、外交特権が認められています。刑事・民事裁判権の免除、租税の免除、住居不可侵などの特権があります。

総領事館は、総領事を筆頭に、領事、副領事、領事官補がいます。領事に関するウィーン条約に基づいて、外交特権に準じた「領事特権」が認められていますが、身体の不可侵の部分で外交特権よりも制限があります。

【外交官の役職まとめ】大使館の参事官、一等書記官、二等書記官はどれくらいの役職か 

以上、大使館と領事館の違いについて、簡単に説明してきました。

正式な役割の違いについては、外務省のホームページを参照しご確認ください。

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