公益財団法人、公益社団法人に就職するメリット&デメリット

公益法人とは、一般社団・財団法人法により設立された一般社団・財団法人のうち、さらに公益法人認定法により公益性の認定を受けた公益社団法人,公益財団法人のことです。

さて、公益法人というとイメージとしては官公庁に近く、その職員は準公務員と言われることもありますが実態はどうでしょうか。

社会的信用の高い組織で働くことができる

公益財団法人や公益社団法人は、行政庁から公益認定を受けている組織です。

官庁から認定を受けた団体という意味で、公益法人には社会的信用があります。

また、公益財団法人や公益社団法人の多くは、上場企業などと同じように公認会計士監査を受けていることから、財務諸表の信頼性が高く確保されるほか、会計指導などにより適切な内部管理体制が確立されているケースが多いです。

このような背景から公益法人という名前には、社会的信用と安定性があるので、そのような環境で働くことができる職員としてもメリットがあります。

福利厚生は公務員準拠か

多くの公益法人は、公務員準拠の福利厚生であることが多いです。

全ての法人が公務員準拠の福利厚生を用意しているわけではありませんが、同じ規模の民間企業と比較すると、公益法人の方が福利厚生を整備しているケースが多いです。

特に、行政庁の外郭団体や行政委託型公益法人は、行政庁との人事交流も多いことから公務員準拠の福利厚生を整備し、監督官庁の俸給表に準じて給料を計算していたり、人事院勧告に合わせて給料を変動させるなどの対応をしていることが多いです。

穏やかな組織風土

公益法人は、通常は利益を追求することを目的としない組織です。

一般的に、公益法人は税制上の優遇処置を受けることができます。また、特定の条件を満たす団体は、国や自治体から補助金を受け取ることも可能です。これらのメリットがあるため、公益法人の経営状況は比較的安定している傾向があります。

その結果、公益法人の組織風土はしばしば穏やかな雰囲気を持っています。公益法人の環境では、一般的には首にされる可能性が低いと言えるでしょう。

公益法人は社会的な使命を果たすことを目指しており、利益追求よりも社会貢献を重視しています。そのため、組織内では協力と共同作業が奨励され、メンバー同士の協調性が高いことが特徴です。

また、公益法人の活動は社会全体に対してプラスの影響をもたらすことが期待されています。そのため、公益法人は積極的な支援や協力を受けることが多く、民間企業と比べると穏やかな組織風土の中で働くことができる環境であることが多いと言えます。

官庁からの天下りが多い

公益法人のデメリットの一つとして、外郭団体では理事長や理事ポストが監督官庁からの天下りで占められることがある点が挙げられます。

天下りが多い場合、その公益法人で採用された生え抜き職員(プロパー職員)の昇進が制限される可能性があります。天下りによって幹部ポストが埋まることで、内部の昇進機会が限られてしまうためです。

このような状況から、「昇進したい」「幹部になって組織を引っ張りたい」という意欲を持つ人にとっては、公益法人の環境は望ましくないかもしれません。

なお、公益法人改革により天下りの公表が義務化されていますので、就職前には公益法人のホームページで確認することをおすすめします。

公益法人は社会的な使命を果たすために存在していますが、天下りの問題は公益法人内部の活力や成長を妨げる要因となり得ます。公正で透明性の高い人事制度の確立や、内部の才能の育成に重点を置くことが、公益法人の発展と活性化を促す重要な課題となっています。

転職する際に困ることはあるか

公益財団法人や公益社団法人での就職を果たした後、将来的には転職を考えることもあるかもしれません。

一部では、公益法人での経験が非営利性や特異な業務内容に起因し、民間企業でのスキル活用が難しいと言われることもあります。しかし、財団法人や社団法人での職歴は転職において評価されないということはありません。転職時には即戦力が求められることが多く、公益法人で培ったスキルがあれば、それは十分に役立つ要素となります。

また、公益法人での職歴は社会的な評価も高く、転職先においても面接官からの印象を悪くすることはないでしょう。むしろ、公益法人での経験はある種の信頼性や社会貢献への意欲を示すものとして、プラスの要素として受け取られることが多いです。

ただし、転職を考える場合でも、なぜ公益法人から民間企業に転職するのかを論理的に説明する必要があります。自身のキャリアパスや目標に合致し、公益法人で培った経験をさらに発展させるため、民間企業の環境にチャレンジしたいという理由を明確に述べることが重要です。

結論として、公益法人での職歴は十分に評価される要素であり、転職時には有益な資産となり得ます。公益法人から民間企業への転職を考える際には、自身の目標や動機を明確に伝えることで、転職先においても成功を収める可能性が高まるでしょう。

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まとめ

以上のようなメリットとデメリットを紹介してきましたが、公益事業を通じて社会に貢献する仕事はやりがいも非常に大きいはずです。

公益法人の求人を探すコツは、公益法人に強い転職サイトを活用することです。

様々な転職サイトがある中で、特に強みがあるのはリクナビです。
特に、エージェントの利用がオススメで、非公開の文化芸術財団の求人などを紹介してくれることがあります。

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