「主査」という役職について紹介していきます。
主査は自治体や企業で使われることの多い役職です。具体的なイメージが分かるように簡単に紹介していきます。
自治体の「主査」
自治体で使われる「主査」は、係長級として使われることが多い役職です。
係長と同程度の能力や経験を持っている「主査」は、部下がいないスタッフ職として、課や係のラインを横断したプロジェクトチームの中核として活動しています。
ただ、一部の自治体では主査に係長の役割をそのまま担当させていたり、主査を課長補佐として機能させている自治体もあるなど、自治体によってその位置づけは差があります。
「主査」の職務としては、主に「⑴高度の知識経験を必要とし、困難な専門的業務を行う」「⑵上司の命を受けて分担事務を掌理し、担任事務の全体を管理する役割」などの役割を担っています。
以下では、実際に主査が置かれている自治体の職制を紹介していきます。
1.自治体の職制例
級 | 神奈川県庁 | 千葉県庁 | 奈良県庁 | 和歌山県庁 | 北海道庁 |
6級 | 主幹 | 副課長・主幹 | 参事・主幹 | 課長 | 主幹 |
5級 | 副主幹 | 副主幹 | 課長補佐・副主幹 | 課長補佐 | 主査(困難) |
4級 | 主査 | 主査 | 係長 | 係長・主査(困難) | 主査 |
3級 | 主任主事 | 副主査 | 主査 | 係長・主査 | 主任 |
2級 | 主事 | 主事 | 主任主事 | 主事 | 主事 |
1級 | 主事 | 主事 | 主事 | 主事 | 主事 |
以上のように、主査は係長~課長補佐として使われ、とりわけ多くの自治体では係長級として使われることが多いです。
例えば、北海道庁では、「主査」は基本的には4級の係長級です。
ただし、管理や連絡調整、総括的業務など、困難な業務を処理する主査は5級の課長補佐級として運用されています。
省庁での主査の使われ方
省庁でも主査が使われています。
国土交通省や観光庁で使われる「主査」は3~4級の係長級の位置づけで使われています。
また、財務省主計局にも「主査」が置かれていて、課長補佐級の役職として主計官の補佐や個別の実務を取り仕切っています。
さらに、国税庁の出先機関である国税局でも「主査」が置かれ、これも5級~6級で使われる課長補佐級の役職であることが多いです。
以上のように、省庁によって主査の役割や位置づけは様々ですが、省庁においてもおおむね係長級~課長補佐級で使われるケースが多くなっています。
民間企業の主査
民間企業でも主査は広く使われています。
企業内での「主査」という役職は、一般的に部門やチームの責任者を指すことがあります。主査は、部門の業務遂行や目標達成を監督し、メンバーの指導やリソースの管理を行います。
主任~上位の管理職まで幅広く使われることが多いので、企業によってその位置づけは様々です。
大手自動車メーカーでは、「主査」を部長級として運用していたり、また、別の企業では一定の年齢に達した社員に対する名誉職的なポジションとして、部下なしの係長の「主査」に昇任させる運用を行っているところもあります。
研究機関における主査
研究機関や学術団体においては、主査は研究プロジェクトの責任者やプロジェクトリーダーを指すことがあります。主査は研究の計画立案や実施、成果の評価などを担当し、研究チームの指導や協力者との連携を図ります。
監査や審査の分野においても、「主査」という役職が存在します。主査は、監査や審査業務の責任者であり、プロセスの管理や結果の評価を行います。
したがって、「主査」という役職は、組織や状況によって異なる役割や責任を持つことがあります。具体的な場面や文脈において、「主査」としての役割や職務内容を明確にすることが重要です。
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