国が関わる会合などで、審議官の肩書の公務員と会う機会があると思います。
この分かりにくい役職である「審議官」について大まかな印象が分かるように紹介していきます。
局次長級の高級官僚
審議官は、一般的には省庁の局次長級の官職です。
課長と局長の間に位置する役職で、係や課などのラインから離れたスタッフ職的な官職です。
具体的な仕事内容は、大まかに以下のような役割があります。
・局長の補佐
・重要事項の企画、立案
・政策の調整、取りまとめ
参考程度に、審議官について財務省組織令では以下のように書かれています。
審議官は命を受けて、財務省の所掌事務に関する特に重要な事項についての企画及び立案に参画し、関係事務を総括整理する。
省庁での大まかな位置
キャリアとして採用され、出世を重ねると50代くらいで審議官まで昇進していきます。
全体的な大まかな流れは以下の通りです。
係長 ⇒ 課長補佐 ⇒ 室長 ⇒ 課長 ⇒ 審議官・局次長 ⇒ 局長 ⇒ 事務次官
次官級の審議官がいる
審議官と言えば局次長級が広くイメージされやすいですが、一部には次官級の審議官もいます。
次官級(正確には事務次官に次ぐくらいの位置)の審議官は、通称で省名審議官と言われていて、外務審議官や国土交通審議官、経済産業審議官など省の名前が頭につく審議官のことです。
省名審議官や、その他で位置づけが分かりにくい審議官などについては、以下で例を挙げて紹介していきます。
役職 | 棒級と摘要 |
省名審議官(外務審議官、国土交通審議官等) | 指定職7号棒 事務次官に次ぐ省のNO.2 |
各省 大臣官房 総括審議官 | 指定職3号棒 局長に次ぐ位置 |
金融庁 金融国際審議官 | 指定職6号棒 金融庁長官に次ぐNO.2 |
厚労省 中央労働委員会事務局 審議官 | 指定職2号棒 事務局長に次ぐ位置(局次長級) |
国交省 運輸安全委員会事務局 審議官 | 指定職1号棒 事務局長に次ぐ位置(局次長級) |
環境省 地球環境審議官 | 指定職7号棒 事務次官に次ぐ環境省のNO.2 |
審議官を3つに大きく分けると、次官級の省名審議官、局次長級の筆頭的な位置にある総括審議官、最もポピュラーな局次長級の審議官 の3種類に分けられます。
キャリア、ノンキャリア
ノンキャリアでも審議官まで昇任している事例がありますが、基本的に審議官はキャリアです。
キャリアであれば、審議官で昇進が止まらずに局長や外局の長官、事務次官まで昇進していく可能性もあります。
ちなみに、審議官は省庁以外ではほとんど使われない役職です。
似たような役職では、民間銀行や財団法人、日銀などで「審議役」が、自治体では「審議監」が使われています。