刑務官は完全実力主義をとっています。
高卒刑務官であっても「中等科研修」を修了すれば係長クラスまで出世できますし、「高等科研修」を修了できればキャリア組にさえ並ぶことができる昇任システムとなっています。
このように、刑務官の出世は実力主義が根強いのですが、やはりキャリア、準キャリアで優遇されている点も存在しています。
今回は準キャリア刑務官がどのような点で有利なのか紹介していきます。
準キャリアは 看守部長からスタート
国家一般職試験(大卒程度試験)を経て採用された準キャリアは、「看守部長」の階級からスタートします。
通常、一般の刑務官が「看守部長」に昇任するには、中等科研修を突破しなければなりませんが、準キャリアの場合はいきなり看守部長からスタートすることができる特典があります。
◆刑務官の階級
準キャリアは 中等科研修を無試験で入所できる
この中等科研修、通常は毎年行われる競争試験を突破した一部の者のみが受講できるのですが、準キャリアの場合はこれに無試験で入所することができます。
そのため、競争試験を受けずとも中等科研修に参加でき、卒業から4年目ころに係長クラスである副看守長に昇任していきます。
このように準キャリアは、一般の刑務官よりも有利に初級幹部に昇任していくことができます。
中等科研修とは、初級幹部を養成する過程です。
中等科研修を修了した者は「看守部長」に昇任し、その後「係長クラス」まで出世していくことができます。
高等科研修は自力で突破しなくてはならない
準キャリアであっても、「高等科研修」へ入所するには競争試験を突破する必要があります。
これに合格し6か月の高等科研修を終えれば、採用から14年目くらいで看守長(課長級)へ昇進し、その後は刑務所長や矯正管区長まで昇任することもできます。
逆に、この高等科研修を突破できなければ、係長クラスで出世は止まってしまいます。
高等科研修とは、高級幹部を養成する過程です。
高等科研修を終えた者は、その後「課長クラス以上」に昇任していくことができます。
高等科研修を受けずとも課長クラスに登用される?
中等科研修を経て昇任した初級幹部(係長クラス)は、通常は、高等科研修を修了しなければ課長クラスに出世していくことは難しいです。
しかし、これらの初級幹部であっても、試験を受けて中級管理研修課程を修了することで、課長クラスに登用されることになっています。
これらの者は、高等科研修を修了したキャリアに準じることになります。