官僚といえば、国家公務員総合職試験から採用されたキャリア組を真っ先にイメージする人が多いと思います。
では、国家公務員一般職などから採用されたいわゆるノンキャリアに対しては「官僚」という言葉を使っていいのでしょうか?
官僚とは?
官僚という言葉には、明確に定義が定まっているわけではありませんが、広辞苑では「官僚」について、以下のように説明されています。
①同じ官にある同僚。同役。
②官吏のなかま。役人たち。
③行政の執行者。官吏。
④役人。特に政策決定に影響を与えるような上級の公務員の一群。
このように、主に官吏、上級の公務員が「官僚」です。
また、一般的に使われている「官僚」という言葉は、狭義では幹部や幹部候補の国家公務員を指し、広義では省庁に勤務する国家公務員全般を指すと言われています。よって、下級の公務員であっても広義では官僚に含まれることになります。
広い意味ではノンキャリアも「官僚」
明確に定義があるわけではないが、一般的に広義では下級の官吏も「官僚」に含まれます。
そのため、ノンキャリアであっても広い意味では官僚に含まれることになり、ノンキャリアに対して「官僚」という言葉を使用しても間違いではありません。
出世すれば「官僚」?
狭義では、幹部又は幹部候補となる役人が官僚と言われています。
したがってノンキャリアであっても、幹部ポストまで出世すれば狭義の意味でも官僚と言えます。
一般的に幹部とは本省課長以上を指しますが、ノンキャリアは課長補佐で退官することが多く、ノンキャリアの一握りが課長や室長まで出世しています。
一握りとはいえノンキャリアでも全く手が届かないポストということではないため、ノンキャリアとして採用されても、その後出世ができれば狭義の意味でも「官僚」となることが可能です。
一般人には官僚と呼ばれる
一般の人は、キャリアとノンキャリアの区別はほとんどつきません。
一般人に対して、「私は○○省勤務です」と名乗れば、キャリアであろうがノンキャリアであろうが「官僚」と一括りに言われ、エリート扱いされることも少なくありません。
キャリアとノンキャリアの違いついては「言わなければ分からない」というのが実情です。