国会図書館で働きたい方に向けて、職員へのなり方や出世などについて必要な情報をまとめてみました。
国立国会図書館の基本情報
まず、国立国会図書館の基本情報を紹介します。
⑴予算: 約186億4000万円(平成31年度)
⑵人数: 891名(平成31年度)
⑶施設: 本館、関西館、国際子ども図書館(総延面積は約148,000平方メートル、総収蔵能力は約1,200万冊)
⑷目的: 国会や国会議員の調査研究を補佐する役割、出版物の収集・保存などの役割があります。
国立国会図書館の職員になるには
国立国会図書館は、国会に属する国立の図書館で、職員の身分は特別職国家公務員(国会職員)です。
国会図書館の職員になるには、国会図書館の独自試験に合格することで、職員になることができます。
以下で簡単に注意点に触れていきます。
独自試験に合格する必要がある
国会図書館の職員になるには、国会図書館独自の以下のいずれかの採用試験に合格する必要があります。
POINT
⑴総合職試験……政策の企画立案に係る高い能力を有するかどうかを重視して行う職員の採用試験。調査業務、司書業務、一般事務等の館務を行う職員。
⑵一般職試験……的確な事務処理に係る能力を有するかどうかを重視して行う職員の採用試験。調査業務、司書業務、一般事務等の館務を行う職員。
⑶資料保存専門職員採用試験……各種図書館資料の保存修復業務等を行う国立国会図書館の職員を採用するもの。
この独自試験は、総合職と一般職を合わせ毎年20名前後くらいが採用されています。試験の倍率は高く、公務員試験の中でも難しい採用試験の一つと言えます。
以下は、過去3年間の総合職試験・一般職試験の合格者数です。
○国会図書館 総合職試験・一般職試験の採用状況
採用年度 | 平成28年度 |
平成29年度 |
平成30年度 | |||
総合職 | 一般職 | 総合職 | 一般職 | 総合職 | 一般職 | |
申込者 | 531 | 863 | 536 | 978 | 512 | 904 |
一次受験者 | 452 | 745 | 459 | 792 | 434 | 757 |
一次合格者 | 142 | 233 | 158 | 215 | 150 | 203 |
採用者 | 3 | 14 | 4 | 16 | 4 | 13 |
倍率(対一次受験者) | 150.7 | 84.8 | 114.8 | 77.6 | 108.5 | 90.8 |
※出典元:国立国会図書館より
総合職試験は倍率100倍を超えることもあるので、やはり難関と言えそうです。試験の詳細は国会図書館のホームページからご確認ください。
司書資格は必要ない
司書資格は不要です。
司書資格がなくとも国会図書館の職員になることができます。司書資格の有無が合否に影響することもないようです。
官庁訪問がない
国会図書館の場合は、官庁訪問がなく、独自試験に合格するだけで内定となります。
国会図書館職員の出世
係員級→係長級→課長補佐級への出世していきます。
試験区分や専攻によって、固定的なキャリアパスは定まっていないとのことです。
採用者の属性
1.学歴
国立国会図書館では採用者の学歴が公表されていません。
国家公務員試験や国会職員、裁判所職員などの試験と併願している方が多いので、そちらの学歴を見ると参考となるかもしれません。
リンク:国家総合職の合格者の学歴はどれくらいか? 各省庁の採用実績
2.年齢
国会図書館職員の採用者の年齢は、以下のように公表されています。
○国会図書館 採用者の年齢
採用年度 | 平成28年度 |
平成29年度 |
平成30年度 | |||
総合職 | 一般職 | 総合職 | 一般職 | 総合職 | 一般職 | |
27歳~29歳 | 1 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 |
24歳~26歳 | 1 | 4 | 3 | 7 | 2 | 5 |
22歳・23歳 | 0 | 9 | 1 | 9 | 1 | 6 |
採用者 | 3 | 14 | 4 | 16 | 4 | 13 |
※出典元:国立国会図書館より