「課長」という役職は、課の指揮監督を行うポストです。
企業によって位置づけは異なりますが、一般的には中堅~ベテランの社員与えられるポストで、中間管理職というイメージが強い役職です。
そんな課長について、役割と年収などについて紹介していきます。
課長は管理職
課長は大半の組織において管理職として置かれている役職です。
兵庫県人事委員会の調査では、課長職を設置している企業の94.7%は、課長に直属の部下がいることが示されています。逆に、この調査では、部下なし課長の割合は5.3%となっています。
課長の平均年齢は48歳
厚労省の資料を使って課長の平均年齢と平均月給を紹介していきます。
100人以上の組織で働いている課長の平均年齢は以下の通りです。
平均年齢と賃金
・課長(男性)の平均年齢 48.5歳 月給平均536,800円
・課長(女性)の平均年齢 48.7歳 月給平均460,100円
男性女性ともに、課長の役職で働いている方の平均年齢は48歳となっています。
課長のボリューム層は40・50代
さらに、政府で発表している統計資料を用いて、課長の年齢層を紹介していきます。
統計では、40代~50代が課長のボリューム層になっていて、中でも45歳~49歳が最も課長の人数が多くなっています。
・従業員数100人以上の企業 課長級の人数
年齢層 | 課長の人数 |
~19歳 | 0人 |
20~24歳 | 33人 |
25~29歳 | 230人 |
30~34歳 | 1,865人 |
35~39歳 | 7,219人 |
40~44歳 | 18,407人 |
45~49歳 | 26,102人 |
50~54歳 | 22,965人 |
55~59歳 | 14,791人 |
60~64歳 | 1,505人 |
65~69歳 | 127人 |
70歳~ | 23人 |
大企業の課長は年収1,000万円?
会社規模ごとの課長の平均年収を紹介していきます。
会社規模 | 平均年収 |
大企業(1,000人以上) | 1,001万円 |
中企業(500人~999人) | 803.3万円 |
小企業(100人~499人) | 684.2万円 |
統計では、従業員数1,000人以上の大企業の課長の平均年収は、1,000万円近くになるようです。
ちなみに、企業規模によって課長級の年齢層に大きな違いはなく、小企業~大企業まで45歳~59歳が課長のボリューム層になっています。
省庁の課長は別格
省庁の課長は、およそ9割がキャリア官僚によって占められています。
キャリアであれば40代前半に課長に昇任するのが平均的と言われているので、世間一般から考えても出世は早い方という印象を受けるはずです。
ただし、本省庁の課長は、出先機関や都道府県、市町村の課長よりも上位の役職とみなされていて、本省課長が出先機関に異動する場合には、部長や管区長のポストとして異動することとなります。
以下で、その簡易的な比較表を紹介しています。
〇課長級の比較
本省 | 地方支分部局(管区) | 都道府県庁 |
課長(10級) | 管区長 | |
課長(9級) | 管区長・部長 | 部長 |
室長(8級) | 部長 | 次長 |
室長(7級) | 課長 | 総括課長 |
課長補佐(6級) | 課長 | 課長 |
課長補佐(5級) | 課長補佐 | 総括課長補佐 |
係長(4級) | 係長 | 課長補佐 |
ノンキャリアのケースでは、その多くが定年までに本省の課長補佐や出先機関の課長に昇任することができますが、本省の課長に昇任することができるのは一握りとなっています。
ちなみに、省庁の課長は自衛官の階級では一佐に相当し、警察官の階級では警視長に相当します。
このように、省庁の課長は民間企業と比較すると部長級や出先機関のトップ、また、会社規模によっては役員級に相当するポストとなっています。
課長の年収モデル
公表されている数字を用いて、課長の年収モデルを紹介していきます。
肩書 | 年収モデル |
50歳 省庁 課長 | 1,253.3万円 |
50歳 省庁の出先機関 課長 | 671.3万円 |
45歳 東京都庁 課長 | 1,020.6万円 |
50歳 大阪府庁 課長 | 996.3万円 |
54歳 東京藝大 課長 | 868.3万円 |
50歳 日本中央競馬会 課長 | 1,318万円 |
主に公共機関が中心ですが、600~1,200万円ほどが課長の年収相場と言えます。