官僚といえば東京大学卒のエリートというイメージが強くあります。
実際には、一流大学卒じゃなくても官僚になれるのか解説していきます。
官僚になるには?
官僚になるには、人事院が実施する「国家公務員採用総合職試験」を受験する必要があります。
これに合格した者は、採用候補者名簿に3年間掲載されることになりますが、これだけでは終わりません。
国家公務員では各省庁ごとに採用されるため、試験合格者は官庁訪問によって最終的な内定を得る形になります。
■【国家公務員総合職試験】の内定までの流れ
受験申込 ⇒ 第1次試験 ⇒ 第1次試験合格発表 ⇒ 第2次試験(筆記) ⇒ 第2次試験(政策課題討議・人物) ⇒ 最終合格発表 ⇒ 官庁訪問 ⇒ 採用内定
■平成30年度 【国家公務員採用総合職試験】 申込者及び合格者数
申込者数 | 1次合格者 | 最終合格者 | |
院卒者試験 | 2,181人 | 1,137人 | 639人 |
大卒試験 | 17,428人 | 2,354人 | 1,158人 |
東大卒じゃなくても官僚になれる
国家総合職の合格者の学歴はどれくらいか? 各省庁の採用実績から
国家公務員採用総合職試験の合格者の出身大学ランキング【2017年】
キャリア官僚として採用された者の学歴を見ると、確かに東大卒の割合は他の大学を圧倒しています。大学院卒業者も含めると合格者全体の30%をゆうに超えています。
しかし、東大卒以外であってもキャリア官僚として採用される者も結構いることもわかります。
資料を見ると、東大以外では、京都大学や一橋大学、大阪大学などの旧帝国大学や早稲田大学、慶応大学を中心に採用実績があり、その他にも地方の国立大学やMARCH、関関同立くらいまで採用実績が見られます。
一部の省庁は東大閥が根強い
東大以外でも官僚になることができますが、一部の省庁では依然として東大閥が根強く残っています。
例えば、警察庁は典型的に東大閥が強い省庁です。
戦前、警察庁の全身である内務省は絶大な国家権力を持っていたことから、当時の学生の間でも人気が高く、この人気の高さから東京大学中心の人事が生み出されたと言われています。
現在においても警察庁に入庁する者は、東京大学法学部卒が大多数を占めています。
国家の中枢を担う官庁は人気が高い
予算、外交、防衛など国家の中枢を担う官庁は、学生からの人気も高く、こういう省庁ほど東大が強いと言われています。
また、例えば財務省では、本省採用、財務局総合職採用、国税庁総合職採用、税関総合職採用など、様々なルートからキャリア官僚として財務省に入ることができます。
当然、中枢に近い本省の総合職が一番難易度が高く、自然と東大採用者が多くなる。このように、国の中枢に近く、人気が高いほど東大中心の人事となると言われています。