国家一般職や旧国家Ⅱ種・Ⅲ種のいわゆるノンキャリアは、本省課長補佐まで昇進するのが平均的と言われています。
近年は、意欲と能力のあるノンキャリア組の職員の中から「計画的育成者」を選抜し、行政研修などを通じて幹部候補に登用する制度が進んでいます。
現状では、ノンキャリアの中からどれくらいが幹部に昇進しているのかを紹介していきます。
課長以上に出世しているノンキャリア
平成29年度末の時点では、ノンキャリアから登用された256人の幹部が在籍しています。
これらの具体的な役職は、指定職(審議官等)が24人、大使・総領事が74人、本府省課長121人、地方支分部局長が37人です。
本省課長補佐で出世の壁があると言われるノンキャリアですが、これらの資料を見ると指定職ポストや地方支分部局長にまで昇進する者も毎年一定数いるようです。
ノンキャリア組であっても、一部のトップ層は高級幹部クラスにまで出世することができているようですね。
以下は過去6年間のノンキャリア組の幹部職員数の推移です。
ノンキャリア出身 幹部職員(本省課長以上)の在籍者数の推移
ノンキャリア出身の幹部職員の推移をみると、大きな変動はありませんが、ここ数年は増加傾向にあります。
課長級以上のポストの数から考えるとこれはそれほど大きい数字ではなく、依然としてキャリア組が指定職ポストの9割、課長級ポストの8割以上を占めている状況です。
逆に、ノンキャリア組は室長級で3割~5割を占め、課長補佐級では7~8割、係長級は8割~9割を占めています。
課長級までの年数
ノンキャリアが本省課長級になるのに、平成24年度の数字では、Ⅱ種で平均34.9年、Ⅲ種で平均38.3年を要して出世しています。
以上、ノンキャリアの役職について紹介でした。
ちなみに、以下のリンクは高卒のノンキャリアから大使になった方の本です。一心不乱に勉強し、仕事にも手を抜かない姿勢は生きる上で参考になるはずです。