刑務官には「中等科研修」、「高等科研修」の研修課程があり、これは毎年行われる競争試験を受けて選抜された者のみが受講できる昇任研修です。
「中等科研修」を卒業した者は係長クラス程度まで昇進することができ、「高等科研修」を卒業した者は、課長クラス以上に昇任することができるというシンプルな人事制度になっています。
そのため、高卒で刑務官となった者であっても、本人の能力次第ではエリートコースに乗り、矯正局の幹部となる可能性もあります。
非常に稀なケースですが、現にノンキャリアとして採用された者で、大臣官房審議官、法務省矯正局局長まで昇任した者もいます。
刑務官の出世モデル
高等学校を卒業し、30前に中等科研修を修了、31歳くらいで高等科研修を修了した場合の例で出世モデルを紹介します。
刑務官採用試験は社会人向けの採用区分まで含めると40歳未満まで受験可能です。大学を卒業した後、民間企業で勤務しその後刑務官になる者など、様々経歴を持った者も採用されています。
ここではサンプルとして、高等学校卒業後すぐに刑務官となった者の例を紹介します。人によって異なるため参考程度にとどめてください。
18歳 看守 junior prison officers
新採用職員は、7カ月の初等科研修を修了し、看守としてキャリアをスタートする。
一般の国家公務員と比べて、給料が12%程度高く設定されているため、給料面では恵まれています。
勤務場所は刑務所や少年刑務所、拘置所などで勤務することになり交代制勤務ととなり、夜勤も発生するため自己管理が必要です。
31歳 看守部長 senior prison officers
人によって異なりますが、30くらいで中等科研修を修了した場合は、その後すぐに看守部長へ昇進します。
国家公務員一般職試験から採用された者は、この階級からスタートします。
34歳 副看守長 assistant captains
中等科研修を卒業後、約4年前後で副看守長に昇任します。副看守長は一般的に、係長や主任矯正処遇官などの役職に就くことになります。
キャリア組の場合は、採用後、副看守長からスタートする。
38歳 看守長 captains
高等科研修を修了した者は、ストレートあれば採用から14年目ほどで看守長へ昇進。一般的には看守長は課長クラスのポストです。
配属場所によって異なりますが、首席矯正処遇官や統括矯正処遇官、課長や課長補佐、支所長又は支所次長などの役職に就くことになります。
43歳 矯正副長 vice correctional perintendents
高等科研修を修了した一部の者は、40代くらいで矯正副長へ昇任します。矯正副長は、部長や課長、首席矯正処遇官、支所長などの役職に就き、幹部として勤務します。
53歳 矯正長 correctional superintendents
一部の者は、矯正長の階級に昇任することができます。主に、所長や部長などの責任ある職務を任されることになります。
56歳 矯正監 correctional superintendent supervisors
矯正監は、刑務官の階級の最高位です。主に、矯正管区長や所長などの役職に就くことになります。