本府省係長は、係を監督しつつ自らも動くブレイングマネージャーです。
具体的な仕事内容は所属する省庁によって多岐に渡りますが、
関係省庁との連絡調整、法解釈について質問対応、情報収集、企画立案、上司の補佐、部署によっては国会で使用する答弁資料を作成することもあり仕事の責任は非常に大きい。
また、法改正の影響をもろに受けることがあるので、法改正によって自らが担当する業務にどのような影響があるのか関係各所と協議を重ねることもあります。
このようにルーティンワークではなく、「新たな変化に対応を迫られる仕事」が多いのが特徴的です。
こような係長ですが、さらにその詳細を紹介していきます。
本府省係長の年収
係長のモデル年収は以下の通り。
年齢 | 家族構成 | 月額 | 年間給与 |
35歳係長 | 配偶者・子1人 | 288,300円 | 4,679,000円 |
40歳係長 | 配偶者・子2人 | 321,700円 | 5,213,000円 |
出典元:総務省
社会的な立場・地位
本府省係長の地位は、以下の階級に相当します。
警察官の階級でいうところの警部に相当する。警部は、大規模な警察署では課長補佐、小規模な警察署では課長~副署長を担うポジションです。
自衛官や諸外国軍隊の階級で言うところの三佐(少佐)に相当。三佐は、陸上自衛隊では中隊長を担うポジションです。
海上保安官の階級では一等海上保安正に相当する。一等海上保安正は、小型船の船長や海上保安部の課長を担うポジションです。
消防吏員の階級では消防司令に相当する。消防司令は、大規模な消防本部では課長補佐級、小規模な消防本部では署長級のポジション。
このように、「係長」は府省内では初級幹部ですが、外の世界に出ると中級幹部クラスのポジションに匹敵する地位です。
その為、社会に与える影響力や社会的責任は重いものがあります。
民間企業の係長との比較
省庁の係長は、担当する業界の人間から請願・陳情を受ける立場であるため、一般企業の係長よりもその権限と責任は大きいと言えます。
課長・課長補佐らと同席し、企業・団体の幹部と会談する機会もあるので、一般企業の係長よりも広い交遊関係を作ることができるのが特徴的です。
係長の属性
国家公務員一般職で採用された者が、係長ポストの大半を占めています。
係長へは入省8年目以降に出世していく為、係長の年齢層は30代~40代が多いようです。
なお、20代のキャリア組の係長もいますが人数は全体の割合としては少数です。
係長の役割
①連結ピンとしての役割
係長は、課長と係員の橋渡しをする連結ピンの役割があります。
連結ピンとしての役割を十分に果たすに、係員とのコミュニケーション、課長との情報共有が重要になります。その為、コミュニケーション能力、判断力が必要です。
②スペシャリストとしての役割
関係機関から法律的な解釈について問い合わせを受けることがしばしばあります。
このような細かい業務については、係レベルで処理していく必要があるので、係長はスムーズに答えられるようにしておかなければなりません。
日ごろから専門書や過去の資料に目を通し、課や係として何ができるかを模索する姿勢が必要です。
係のリーダーとして部下をまとめるだけでなく、自らもスペシャリストとして関連する知識に精通しておく必要性があります。
⓷上司の補佐役としての役割
係長は係のリーダーであると同時に、上司の補佐役を務めることもあります。まるで秘書官のようにスケジュール管理や各種の手配などを行ったり、緊急時には上司の代理を務めることもあります。
公務員【資格の大原】