【マルサ】国税査察官にはどうやってなるのか?

国税査察官は、悪質な脱税者に対して捜査や差押などの強制調査を行い、刑事罰を求めるために検察官に告発する役割を果たします。

今回はそんな国税査察官へのなり方について簡単に紹介していきます。

国家公務員試験の受験が必要

国税査察官になるには、国家公務員試験の受験が必要です。

主に、国家公務員総合職、国税専門官試験、税務職員採用試験のいずれかを受験し、合格することが主要なルートです。

国税査察官になる者の多数は国税専門官試験、税務職員採用試験から配属されるケースが多くなるため、国税査察官を目指す場合にはこれらの採用試験を受験する方が近道です。

国家公務員総合職試験に合格し、国税庁に内定を受けた場合には、キャリア組として将来は税務署長、国税局・国税庁の幹部になることとなります。したがって、国税査察官として現場勤務を長く続けたい場合には、総合職試験の受験は適当ではないかもしれません。

■参考:国税専門官の採用者数

試験年度 平成30年度 2019年度 2020年度 2021年度 2022年度
試験申込者数 15,884人 14,238人 14,131人 13,163人 14,867人
採用状況 女性 328人 393人 534人 481人
男性 830人 758人 843人 872人
合計 1,158人 1,151人 1,377人 1,353人 約1,330人採用予定

国税調査官、国税徴収官、国税査察官のいずれかになる

国税専門官試験又は税務職員採用試験に合格し、国税局から内定を受けた後、税務大学校での研修を受けることになります。

その後は本人の適性や希望に応じて、国税調査官、国税徴収官、国税査察官のいずれかに任命されます。

それぞれの職種には以下のような特徴があります。

国税調査官:国税調査官は納税義務者である個人や会社を訪問し、適正な申告が行われているかどうかを調査・検査します。また、申告に関する指導やアドバイスを行い、適切な税金の納付を促進します。

国税徴収官:国税徴収官は、定められた納期限までに納付されない税金の督促や滞納処分を行います。さらに、納税に関する指導やサポートを提供し、納税者が税金を適切に納められるように努めます。

国税査察官:国税査察官は裁判官から許可状を得て、悪質な脱税行為を行った個人や企業に対して捜査・差押等の強制調査を行います。また、証拠を収集し、検察官に告発して刑事罰を求める重要な役割を果たします。

これらの職種は、税務の重要な側面に関与し、公平な納税文化の維持に貢献します。国税査察官になるためには、高度な専門知識と倫理観が求められますが、社会における重要な役割を果たすことができるやりがいのある職業です。

国税査察官とはどのような仕事をするのか

税務署では扱いにくい悪質な脱税を調査し、告発するのが国税査察官の仕事です。

全国には約1,300人の査察官が業務を担当しています。

国税査察官は裁判官の許可を得て、臨検、捜索、差押えを行うことができます。査察部には内偵担当と捜索担当の2つの部門があり、両部門が連携して悪質な脱税者の摘発に全力を尽くしています。

情報部門(内偵班)では、マスコミ情報や風評、内部告発などを基に、脱税嫌疑者の事業や取引先、関係者の身辺(親族・役員・特殊関係人など)を秘密裏に調査します。緻密な情報分析や内偵調査を進め、脱税の嫌疑が強まれば裁判官に捜索や差押の許可状を請求します。情報部門の身分は組織上明かされることはありません。

実施部門(捜索班)では、内偵班が情報分析した対象者や関係者に対し、裁判官から交付された捜索差押令状に基づいて、嫌疑者の居宅や会社を強制的に調査します。差押え証拠物件の検討を進め、質問調査権を行使して脱税の証拠を確立し、検察庁に立件します。

給料水準は、一般の行政職の公務員と比較して、一割ほど高い給与水準となっています。

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