官庁の中の官庁と呼ばれる財務省。予算と税を握る財務省は省庁の中でも別格の存在です。
そんな財務省ではキャリア官僚が目立っていますが、予算・税制・関税など各分野のスペシャリストとなっているノンキャリアも働いています。
一般にノンキャリアの出世は課長補佐が限度とされていますが、一握りは本省の室長や課長にまで出世しています。
これらの具体的な人数や必要な勤続年数などを紹介していきます。
財務省のノンキャリアとは?
財務省のノンキャリアはどういったルートで財務省に入っているのでしょうか?
現在では、主に「国家公務員一般職試験の財務省採用」「財務専門官」が主要なルートです。
また、「国税専門官試験」や「税務署職員採用試験」、「国家公務員一般職試験の税関採用」なども本省で勤務する機会があります。
ノンキャリアの室長は何人いるか
平成29年の財務省及び国税庁における本省庁室長級ポストの人数は以下の通りです。
全体の室長級ポストは175あり、そのうちⅠ種が69(39.4%)、Ⅱ種が27(15.4%)、Ⅲ種が73(41.7%)を占めています。
Ⅱ種とⅢ種を合わせたノンキャリア組の職員が 室長級ポストの過半数(57.1%)を占めていることが分かります。
Ⅰ種試験等 | Ⅱ種試験等 | Ⅲ種試験等 | その他 | 合計 | |
室長級(人数) | 69人 | 27人 | 73人 | 6人 | 175 |
割合 | 39.4% | 15.4% | 41.7% | 3.4% | 100% |
出典元:財務省
・室長に昇進するまでの年数
平成29年に初めて財務省の室長に昇進した者の勤続年数は以下の通りです。
この年では、Ⅱ種は勤続25年~37年で室長へ出世しています。Ⅲ種は勤続32年~41年目に室長に出世しています。
出典元:財務省
ノンキャリアの課長は何人いるか
平成29年の財務省及び国税庁における本省庁課長級ポストの人数は以下の通りです。
全体の課長級ポストは86あり、そのうちⅠ種が77(89.5%)、Ⅱ種が3(3.5%)、Ⅲ種が6(7.0%)を占めています。
キャリア組が課長級ポストの過半数(89.5%)を占めている状況で、ノンキャリアから課長になった職員は少ない状況となっています。
Ⅰ種試験等 | Ⅱ種試験等 | Ⅲ種試験等 | その他 | 合計 | |
課長級(人数) | 77 | 3 | 6 | 0 | 86 |
割合 | 89.5% | 3.5% | 7.0% | 0% | 100% |
課長に昇進するまでの年数
平成29年に初めて財務省の課長になった職員の勤続年数は以下の通りです。
Ⅱ種、Ⅲ種ともに勤続37年~38年程度で課長へ昇進しています。
出典元:財務省
以上のように、財務省及び国税庁では、ノンキャリアであっても室長まで出世している職員が多く存在します。
課長以上の役職については、ノンキャリアの数が一気に減り、キャリア組が大多数を占めているのが現状です。