刑務官は、刑務所や拘置所に勤務し、日常生活の指導や職業訓練指導、施設の保安警備などに従事する国家公務員です。
刑務官になるには、「刑務官採用試験」「国家公務員採用総合職試験」「国家公務員採用一般職試験」の三つのルートからなることができます。
これらの試験の中で「刑務官採用試験」に合格するのが、刑務官となるための最もポピュラーな方法であり、主要なルートです。
刑務官採用試験の受験資格
刑務官採用試験は高等学校卒業程度の試験です。受験資格に年齢制限はありますが、学歴については問いません。そのため、高卒程度の試験でありながら、大卒や短大卒であろうと受験することができます。
■年齢制限
試験区分 | 年齢制限(受験する年の満年齢) |
刑務、刑務(武道) | 17歳から28歳 |
刑務(社会人) | 39歳 |
※詳しくは人事院で要確認
■受験できない者
・日本国籍を有しない者
・成年被後見人、被保佐人
・禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わるまでの者又はその刑の執行猶予の期間中の者その他その執行を受けることがなくなるまでの者
・一般職の国家公務員として懲戒免職の処分を受け、その処分の日から2年を経過しない者
・日本国憲法又はその下に成立した政府を暴力で破壊することを主張する政党その他の団体を結成し、またはこれに加入した者
■次のいずれかに該当する者は不合格となる
・身長が男子160㎝、女子148㎝に満たない者
・体重が男子47㎏、女子40㎏に満たない者
・裸眼視力がどちらか一眼でも0.6に満たない者(ただし、矯正視力が両眼で1.0以上の者は差し支えない)
・四肢の運動機能に異常のある者
採用試験の内容
■第1次試験
・基礎能力試験(多肢選択式)
知能分野20題(文章理解、課題処理、数的処理、資料解釈)
知識分野20題(自然科学、人文科学、社会科学)
・作文試験
文章による表現力、課題に関する理解力などについての筆記試験
・実技試験(武道区分のみ)
柔道又は剣道の実技に関する試験
■第2次試験
・人物試験 ……人柄、対人的能力などについての個別面接
・身体検査 ……胸部疾患、血圧、尿、その他一般内科系検査
・身体測定 ……身長、体重、視力についての測定
・体力検査(武道除く)……立ち幅跳び、反復横跳び、上体起こし
過去の試験結果
※Aは男子、Bは女子
「総合職試験」「一般職試験」からも刑務官になれる
その他、いわゆるキャリア官僚の登竜門である「国家公務員採用総合職試験」、又は中級幹部候補の「国家公務員採用一般職試験」に合格し、法務省矯正局に採用されることで刑務官になることもできます。この場合、採用者数は毎年少数のため注意が必要です。